読後感想『敗者のゲーム』

本の紹介

アメリカのチャールズ・エリス博士が1985年に執筆した名著、以降40年にわたり世界各国で読まれ、内容もコロナ禍を反映するなどアップデートされている。投資の世界をテニスや他のスポーツを例に「敗者のゲーム」と呼びつつ、個人投資家が生き残るための単純な方法を示してくれる本。

敗者のゲーム[原著第8版] [ チャールズ・エリス ]

価格:2200円
(2025/12/8 00:42時点)
感想(31件)

購入の経緯

『ウォール街のランダムウォーカー』と同じく、インデックス投資が個人投資家の最適解である理解しつつも、自身の考え方・論理を確固たるものにすべく購入。それに加えて、これから投資を始める人や、投資歴は長いが証券マンに勧められるままに株や投資信託を買って手数料を取られている(たとえば私の母のような)人に本を勧める場合、ランダムウォーカーとどちらがお勧めか、というようなことを考えながら読んでいた。

感想

テニスのプロの試合は長いラリーの末に相手が返せない弾を打ち込むことような、勝利するためのプレーで結果が決まる「勝者のゲーム」だが、アマチュアの試合はミスが多い方が負ける、敗者のミスによって決まる「敗者のゲーム」である。投資の世界も今は「敗者のゲーム」であり、エリート揃いのプロ投資家達に我々が勝利するというのは不可能と思ってよい。

序盤からタイトルを回収してくれているが、非常に例が分かり易く印象に残る。プロの投資家達の活動の結果が市場平均という形で株式指標に表れ、インデックス投資信託であれば格安な手数料でこれに乗れるのだから、個人投資家がやることはインデックス投資一択でよい。投資をしていると、金が上がっている、AI関連の株が暴騰している、など景気の良い話が聞こえてきてそちらにも手を出したくなるが、インデックス投資が最適解でそれ以外はエンターテイメントである、というぐらいの考え方で丁度いいと思えるようになる。

こんな人にお勧め

インデックス投資の利点は理解しつつも他も気になって色々やってみたくなる人が、一度読んでおくのも良いのではないか。とりあえず読むべき投資の名著という位置づけではランダムウォーカーと同じだが、あちらよりページ数が少ない分読みやすいと思われる。なお、アメリカンジョークもこちらの方が少ない。

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